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万国津梁株式会社

「万国津梁株式会社」は現在、東南アジア諸国に向けた沖縄県産食品の輸出貿易業務、外国人や海外企業が沖縄に拠点を置く際のコンサルティング業務、そして、それらの事業にともなう通訳・翻訳業務などを手がけています。

台湾出身の鄭 烜(ダニエル・テイ)代表取締役は、沖縄に移住して15年ほど。沖縄県内の企業で実務経験を積んだのち、2017年からは中国本土や台湾からの依頼を受けて、沖縄県産品のバイヤーとして活躍してきました。その経験をもとに2020年4月に那覇市で起業。沖縄と世界の架け橋となるだけでなく、沖縄県の産業の発展にも貢献していきたいと尽力しています。

鄭代表に同社の事業内容、起業までの経緯や苦労、沖縄の持つポテンシャルと課題、今後の展望などについて、お話を伺いました。(2020年9月)

東南アジアの人々と通じる情熱や文化的背景、加えて日本の社会的秩序と安心・安全なイメージを持ち合わせているのが沖縄の魅力。今後はより多くの産業分野で県内企業とコラボし、沖縄から世界市場を視野に入れた新たな “Made in Japan” 産業を確立したい。

現在、複数の事業を手がけていますが、まずは輸出入業についてお聞かせください。

カラダにいいとされていたり、おいしさに定評がある沖縄県産食材、たとえばモズクやウコン、黒糖といった商品を、台湾や中国本土・香港などに輸出しています。沖縄県産の商品は丁寧に作られているものが多いですし、健康食品としても注目度が高いです。

経営コンサルティング業務や通訳・翻訳業務については?

外国の企業が沖縄でビジネスを始める場合、まず立ちはだかるのが言葉の壁です。それから、必要な情報がどこで手に入るかがわかりません。

コンサルティング業務では、起業から移住、ビジネス展開までの一連の流れをサポートしています。これまで8社、約30人をサポートしていますが、起業においては、経営・管理ビザの取得をはじめ、さまざまな手続きが必要で、外国語対応ができる司法書士や行政書士との連携が欠かせません。会社を設立し、いざ沖縄に移住するとなれば、今度はオフィスや住居、子どもの学校などを手配する必要もあります。

貿易やコンサルティング業務を行ううえで通訳や翻訳は不可欠ですし、私自身が沖縄で暮らして起業した経験も業務に生かされています。現在の事業はどれも相互に関連しているのです。

沖縄に住まれて長いですが、鄭さんにとって沖縄の魅力とは?

台湾人は歴史的背景からも日本や沖縄に好感を持っているひとが多いです。また、アジア諸国へアクセスしやすいという物理的な利点、豊かな自然環境や人の温かみ、リラックスした生活スタイルなどは、多くの外国人が沖縄に感じている魅力ではないでしょうか。
さらに沖縄は、東南アジアとの文化的共通点が多く、人びとにも東南アジア人に通じる情熱を感じます。そのうえ、日本の魅力である社会的秩序や安心・安全なイメージを同時に持ち合わせています。新しい産業を生み出す余地がまだまだあるという点にも可能性を感じています。

万国津梁株式会社を立ち上げるまでの経緯は?

2017年に沖縄県産品のバイヤーになったのがスタートです。中国大陸や台湾からの依頼を受けたのですが、それに叶う取引きを行うためには、双方の市場動向の観察や調査・研究が必要です。そうした経験を3年ほど積んで、沖縄の商品を海外にアピールできる自信がついたので、2020年に万国津梁株式会社を設立しました。

起業にあたって大変だったことは?

まずオフィスをレンタルする時の保証人探し、そして法人口座を開設するのがとても大変でした。沖縄の銀行に口座を開設した現在も、まだ実績が少ないので、海外に送金する際などは細かいチェックが入ります。より良いオフィス環境の確保と銀行取引の課題については、コツコツと実績を積み重ねながら、信頼関係を築いていくしかないのが現状です。

沖縄県産業振興公社からはどのようなサポートを受けましたか?

起業の前段階から外国語対応が可能な司法書士・行政書士・税理士を紹介いただき、初回の面談に同席してくれました。起業後、輸出入業務においては、公社が有する県内企業とのつながりを通じて、メーカーとの取引が成立しました。

また、コンサルティング業務を行ううえでは、レンタルオフィスやインターナショナルスクールなども紹介いただきました。現在、不動産業者との連携も進めているところです。沖縄で起業するには、ビジネス面だけでなく、移住へのサポートも不可欠なので、こうしたビジネスパートナーとのつながりは今後も増やしていきたいですね。

沖縄県産業振興公社には、英語や中国語対応ができるスタッフがいますし、さまざまな支援をワンストップで受けられるのはありがたいですね。起業前から現在まで、全面サポートいただいており、今後も連携していきたいです。

新型コロナの感染拡大下で起業されましたが、事業への影響はいかがですか?

現在、海外のバイヤーが沖縄に来ることができないので、私が橋渡し役として海外バイヤーに代わって商談を行い、沖縄県産の商品を探している海外企業と海外展開したい県内企業をつなぐ販売チャンネルの拡大に努めています。
コンサルティング業務においては、香港から沖縄へ移住を希望される方が増えています。しかし、彼らも現在、沖縄に渡航することができないので、日本在留資格の申請に関するコンサルティングを行ったり、クライアントとの間に入って行政書士と申請の調整を行ったりしています。今後、彼らが実際に移住してきた時に、どうしたら沖縄でのビジネスチャンスが広げられるかを日々、考えているところです。

沖縄でビジネスを進めていくうえで感じていることは?

沖縄の食品を扱っている企業として、沖縄の製造業にはまだまだ発展の余地があると思います。たとえば特定の商品を製造する県内メーカーがもっと増えれば、いい意味での企業間競争が生まれて、海外取引の成約率も上がるはずです。

一方で沖縄に進出したいという海外の製造業者からの問い合わせもあります。しかし、たとえ資金を充分に持ち合わせている企業でも、沖縄に進出する際のリスクが高く、尻込みしてしまうケースが多いです。現地法人設立の際の条件を緩和するなど、沖縄県自体がもっと受け入れ体制を強化できないかと感じます。

もうひとつは、沖縄で暮らしたい外国人向けの多言語対応。沖縄は英語が話せる人材の数においては日本国内でもトップクラスですが、そうした人材が銀行や市役所、学校や病院など、暮らしと密接に結びついた施設にもっと増えるとありがたいですね。

今後の展望をお聞かせください。

2020年の新型コロナウィルスは全世界の経済に衝撃をもたらしました。今考えているのは、沖縄で観光業以外に何ができるか、いかにして沖縄の経済を持続的に発展させることができるかということです。

香港から移住してくる私のクライアントのなかには、芸術家や教育者、科学者などがいます。彼らが沖縄に投資しながら、沖縄で暮らしながら、沖縄の経済発展に貢献する術があるはずです。

たとえば沖縄の文化と海外アーティストがコラボした芸術作品を生み出すとか、沖縄のローカルプロダクトをベースに海外のニーズにそった新たな商品やサービスを開発するなど、世界に向けて沖縄らしさをアピールできる新たな産業を生み出すことができればベストですよね。

製造業でも、日本の1億2000万人のマーケットに対して、海外市場の持つ可能性は計り知れません。沖縄で製造されるものには、“ Made in Okinawa ” だけでなく、安心・安全で高品質な “ Made in Japan ” という付加価値がつけられます。

沖縄生まれの日本製品が海外に認知されることで、沖縄の製造業の発展や地元での雇用拡大にも繋がるはずです。外国人は「日本=東京・大阪」というイメージの人がほとんどだと思うので、欧米も視野に入れ、世界に向けて「日本の中の沖縄」の魅力をアピールできるといいですね。

最後に沖縄への投資を考えている外国人や企業にアドバイスをお願いします。

事前に沖縄での投資に関する情報を収集することがとても重要です。外国の企業や個人が会社設立や経営・管理ビザを取得するにあたっては、それなりに先行投資が必要になります。私の経験からも、沖縄県産業振興公社などを介して、信頼できる専門家のサポートを受けることをおすすめします。

弊社も沖縄と世界の架け橋となるべく、海外のクライアント向けに沖縄の優遇政策に関する情報提供や、会社あるいは工場の設立、経営・管理ビザの取得に関するサポートを行っています。また、輸出入貿易、税務、不動産、インターナショナルスクール、翻訳及び生活等に関する各種情報も積極的に提供していますので、お気軽にお問い合わせください。

企業データ

会社名 万国津梁株式会社
本社所在地 沖縄県沖縄市宮里2丁目21番5号2F
TEL 090-6864-9866
設立 2020年4月
代表 鄭 烜(Daniel Cheng)
従業員数 2名
事業内容 日本製品の輸出入業務・経営コンサルティング業務・外国語の翻訳及び通訳業務
WEB・SNS 【Facebook】
https://www.facebook.com/letsmovetookinawa

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